広報誌は読んで面白いもの?
世の中にある広報誌の多くは、読んでもあまり面白くありませんし(苦笑)、
そもそも読ませるような作りになっていないことが多いものです。
広報誌と言うよりも、企業の宣伝だけを詰め込んだパンフレットのようになっていたりします。
パンフレットはパンフレットで別途作ればいいと思うのですが、
広報誌を作るのであれば、押し売りのような宣伝攻撃は控えねばなりませんし、
また、読まれなくては意味がないので、できるだけ読まれるコンテンツを考えねばなりません。
広報誌を作る目的は、企業(団体、自治体含む)の活動を一般の人々または関係者にPRすることであり、
さらには、それによって自社のイメージを向上させ、売上アップにつなげることです。
ところが、この最終的な目的意識だけにとらわれてしまうと、面白い広報誌は作れません。
広報誌を作るには毎回ネタが必要であり、
そのネタは業種や業態によってまったく違ってきますが、
共通する考え方やコツがあります。
以下に共通する考え方やコツを記載してみましょう。
※これはあくまでヒントであって、絶対的な考え方ではありません。参考程度にお読みください。
●売り手側(上)から考えるのでなく、逆の立場(下)から遡って考える。
宣伝することだけを考えていると面白いコンテンツはできません。
それは、売り手側が上からの目線で情報を投下するからですね。
しかし、逆の立場(買い手側)の目線で考えると、
下から上に向かって情報投下を要求するような構成になります。
といっても、分かりにくいと思いますので具体的に書くと…
要は世間が「困っていること」「欲しいもの」「してほしいこと」「悩んでいること」に対して、
それらのウォンツを汲み取ってあげた上で、そのウォンツに応えるというスタイルです。
ですので、世間のウォンツをまず自分で掘り起こして(記事に表示させて)、
それに対して自分で解を与える(解は自社商品)という作業になります。
記事的には客観的なスタイルでサラっとまとめてしまってもいいですし、
少し凝るなら、世間のウォンツを体現するモデルを登場させてもいいですね。
モデルは何かに困っている人とかになりますが、サクラで出演するお友達とかでもいいと思います。
●各ページのキャッチコピーは「雑誌風」に。
広報誌の記事が読まれない最大の要因は、
各ページのキャッチコピーがつまらないからでしょう。
キャッチコピーひとつで記事が読まれるか否かが決まってしまいます。
堅苦しい文章や、社内資料のような無味乾燥な文章では記事は読まれにくいです。
イメージすると良いのは、雑誌や週刊誌のようなキャッチコピーです。
必ず中の記事を読みたいと思わせるキャッチが使われているはずです。
●ネタの作り方 その1 「横への広がり」で考える
広報誌には多少なりとも面白いコンテンツが必要です。
自社を宣伝するという上から下への投下式コンテンツだけでなく、
横への広がりでネタを考えましょう。
例えば、弊社の制作していている総合病院さんの広報誌では、
「赤ちゃんコーナー」や「今月のおすすめレシピ」を載せています。
一見、医療とは関係のないネタに見えますが、横で少しつながっています。
赤ちゃんコーナーは、その病院で産まれた旬の赤ちゃんの写真を載せるコーナーで、
今月のおすすめレシピは、病院の栄養士が考える旬の食材を利用したおすすめ健康レシピです。
医療とは関係ないけれども、その病院が社会に寄与している明るいイメージが伝わります。
イメージ戦略としては成功だと思いますし、広報誌のコンテンツとしても楽しい内容です。
読者にとっては堅苦しい内容だけではなく、
楽しい内容があるというのは読みがいがあるものです。
●ネタの作り方 その2 「下からの興味」で考える。
下からの興味(買い手側の興味)でネタを考えるのも良いです。
上記と同じく、総合病院さんの場合で考えてみましょう。
例えば、健康に不安を感じている人は、一度人間ドッグを受けてみようかと考えています。
また、人間ドッグの最新の情報について詳しく知りたいと考えています。
ですので、その要求に応える形で、情報を投下してあげましょう。
記事の流れとしては、最初から売り手側の上から目線で情報を投下するよりも、
まず、買い手側の下から目線でウォンツを確認してから、それに応えるスタイルがベターです。
少し凝るのであれば、人間ドッグを受けるモデルを用意し、プロセスを追うのもいいと思います。
記事の主人公は病院ではなく、利用者(患者)です。
利用者に感情移入してもらうことができれば上出来です。
キャッチコピーも、まず買い手側の不安をキャッチする文章が望まれますね。
※備考
弊社は制作会社ですので、コンサルティング限定の業務は行っておりませんが、制作のご依頼をいただければ、お力になれる範囲でさまざまなご提案やご相談に応じさせていただきます。